Buffalo社製 IoTアプライアンスで自社アプリを稼働させてみる

こんにちは。
岩津です。

IoTサービス向けの製品『IoTアプライアンス GU-100』についてお問い合せさせて頂いたところ、株式会社バッファロー様のご厚意により実機をお借りできましたので、本機と弊社アプリの動作検証を実施してみました。

『IoTアプライアンス GU-100』とは

バッファローのIoTアプライアンス

株式会社バッファロー様が提供されるIoT向け小型機器でAndroidベースで稼働します。

本体正面

本体正面

本体バック

本体バック

Androidスマートフォン向けに作成したアプリケーションなども動作可能で、既にAndroidアプリケーションの開発経験があればソフトウェア資産やノウハウをそのまま利用することができます。

機器本体には有線LANインターフェイス、Wi-Fi、Bluetooth Low Energy(BLE)を搭載しているため、外部機器との通信やセンサー情報の取得も手軽に始めることができます。

スマートフォンのような画面ディスプレイやバッテリーはありませんがAC電源入力とHDMI出力を有しており、外部ディスプレイなどと接続することでデジタルサイネージやセンサーのモニタリングデータの表示など小型の専用表示機としても利用可能です。

今回の検証について

エコモットでは各種センサーや車両運行の状況をトリガーにメッセージ配信を行うAndroidアプリ『Infotab』を提供しており、工事運搬車両や工事事務所での通知専用表示機として利用されております。

スマートフォン版Infotab

スマートフォン版Infotab

車載時

車載時

今回はこのInfotabアプリを利用して、GU-100上で既存アプリが稼働できるかどうかの検証を行いました。

Infotabアプリはクラウドサーバーとの連携を前提としており、今回のシステム構成は以下のようになります。
(※点線枠部、外部システムとの連携は参考)

システム構成

システム構成

用意したもの

  • IoTアプライアンス GU-100
  • Infotabアプリ
  • クラウドサーバー(Infotabサーバー)
  • メッセージ投入用のPC(センサーの代わり)
  • Yamaha RTX810 + LTEドングル + Wi-Fiルーター
  • SORACOM SIM

インストールと事前設定

一般的なAndroidアプリ開発と同様にUSBケーブルからインストール可能です。
今回はAndroid StudioからInfotabアプリをインストールしました。
あとはホームアプリとして割当を行います。

検証1

Infotabアプリを起動したのが以下です。
標準状態では時計を表示しています。

時計表示

時計表示

センサー側に見立てたPCから通知を行います。

晴れ

晴れ

SORACOM Beamを経由したMQTT→MQTTS接続も問題なく作動したようです。

検証2

Infotabアプリには外部サイトの表示機能があり、センサー状況をグラフィカルに表示しながら各種センサーの警報を受信する…といった利用が可能です。

傾斜計

傾斜計

今回は傾斜計のデータを表示して検証しました。(数値はダミーです)

至急連絡

至急連絡GIF版

こちらも問題無く表示できました。
(実際は音声も流れます)

まとめ

今回は既存アプリの動作確認を行うため、メッセージ受信ができるかどうかの簡単な検証を実施いたしましたが、上記の検証範囲においては特に大きな問題が発生することなく正常動作が可能でした。

またGU-100自体の印象としては

  • 組込系Android製品によくある特殊なインストール方法を必要としない(現仕様では)
  • 比較的最近のAndroid OSバージョンのスマートフォン版既存アプリの移行であれば、比較的容易に移行できそう
  • 接続するディスプレイに汎用的なテレビを利用できるため、大型Androidタブレットを利用するよりも用途の幅が広くなりそう

など、IoTサービス開発におけるプロトタイピングやPoCで有用な印象が得られました。

また今後GU-100に最適化する上ではアプリ側では今後以下のような課題が得られました。

  • 大型ディスプレイなどへの表示を行う場合、スマートフォンの画面に最適化されたUIは見直しが必要
  • GU-100が接続可能なBluetoothデバイスやローカルネットワークで通信可能な外部機器など、エッジ側で取得できるデータの活用

Infotabがもともと古いAndroidでも利用できるように色々と画面表示に制限があるのですが、それでも画面表示が無改造でできたのは驚きました。
古いバージョン対応が起因となる画面表示の微妙なレイアウト崩れなどはありましたが、アプリ側の問題なので改良もごくごく軽微にすむ予定です。

今後はGU-100が持つ特徴を活かしたサービスへの適用などを検討して行ければと思います。