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2018.06.07

NVIDIA® Jetson™搭載 普及型エッジAIカメラ「MRM-900」を発売開始

省人化・少コスト化の求められる産業分野に向けて、エッジコンピュータービジョンの提供を拡大

エコモット株式会社(本社:北海道札幌市、代表取締役:入澤 拓也、以下「エコモット」)は、ディープラーニングを活用した画像解析やフルハイビジョン動画のリアルタイムエンコードを、NVIDIA® Jetson™プラットフォームで処理するエッジAIカメラ「MRM-900」の提供を本日より開始いたします。

  • 提供開始:2018年6月7日(木)
  • 価  格:オープン価格
  • 製品仕様:PDF

MRM-900」は、他プラットフォームで学習させたディープラーニング学習モデルをベースとしたエッジコンピューティングによる画像解析が可能な次世代エッジAIカメラです。防水・熱処理設計(IP66対応)を施した一体型の省スペース筐体と優れた省電力性能により、従来運用が難しいとされてきた狭小スペースや屋外で稼働可能です。また、GPUを利用した高圧縮エンコードにより、LTE回線を利用してフルハイビジョン動画を伝送する高画質ライブストリーミングが可能です。

システム構築し運用する際は、「MRM-900」が本体GPUを利用して「画像解析=メタデータ抽出(物体認識・異常検知)」をリアルタイム処理することで、クラウド側は処理結果の反映とアラートに特化するといった分散処理設計が可能となります。したがって、従来型の集中監視システムにおいてボトルネックである解析にかかるクラウド利用コストが大幅に削減され、監視・検品業務等の省人化・省コスト化につながり、幅広い分野での利用拡大が期待されます。

NVIDIA® Jetson™プラットフォームで高速化する演算処理
MRM-900」は、画像解析やリアルタイムエンコードのような複雑かつ負荷の高い演算処理を、内蔵したNVIDIA® Jetson™プラットフォーム上のGPUにより行います。NVIDIA® Jetson™は電力効率に優れた小型で高性能なAIコンピューティングプラットフォームであり、「MRM-900」の活用シーンである、屋内・屋外を問わず省電力で安定したコンピュータービジョンを運用する際のコアデバイスとして最適です。

開発の背景
国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、国内の生産年齢人口は2030年には6,875万人、2060年には4,793万人まで減少するとされており、労働力確保や生産性向上の実現は、多くの産業分野にとって喫緊の課題となっています。

こうした社会的課題を解決する方法としてIoT・AIの活用は大きな期待を集めており、経済産業省は同省の掲げる「新産業構造ビジョン」のロードマップの中で、国土交通省は建設生産システム全体の生産性向上を図り魅力ある建設現場を目指すとした「i-Construction」の取り組みの中で、それぞれIoT・AIの利活用を推進しています。

AI画像解析を利用した物体認識・異常検知の自動化によってもたらされる省人化・少コスト化の恩恵は、労働力確保や生産性の向上を実現する手段として早期の市場投入が望まれてきましたが、高性能PCとネットワークカメラといった機器構成は運用コストや耐久性の面で課題が多く、現実的な導入・運用が難しい状況です。
MRM-900」により、省人化・少コスト化を目的とした実業務に利用可能なソリューションとして提供することが可能です。

導入事例および想定利活用シーン
【導入事例】三井不動産様 管理物件への導入(実証実験含む)

  • 高圧縮エンコードによる高画質ライブストリーミング
  • 年齢/性別分析
  • 車番認証
  • 不審人物検知および検索
  • 置き去り検知による不審物発見

【想定利活用シーン】(画面は開発中のものです)

走行中車両からの路面劣化(剥離・劣化)診断

走行中車両からの路面劣化(剥離・劣化)診断


河川増水や土石流検知などの防災用途

河川増水や土石流検知などの防災用途


安全帯の着用有無をリアルタイム検知

安全帯の着用有無をリアルタイム検知

今後の展開について
MRM-900」の提供開始に伴い、コストバランスに優れたエッジコンピュータービジョンが提供可能となります。当社では、これまで培ってきたIoT技術によるセンシングと本製品で実現する画像解析技術を組み合わせることで、より精度の高い特定分野特化型AI学習モデルが構築可能となります。今後は、特定分野特化型AI学習モデルとデータアナリストによるコンサルティングと併せたサービスの提供を予定しています。
また、当社の提供するIoTデータコレクトプラットフォーム「FASTIO」では、MRM-900との接続機能の搭載を予定しています。FASTIOがAI・IoTシステムのハブとなることで、従来より提供してきたLTE通信デバイスとの連携動作、LPWAや次世代移動通信システム5Gといった各種モバイルネットワークとの連携が可能となります。これによりセンサーデータの収集とAIエッジコンピューティングでの解析、アクチュエーターを動作させることまでをワンストップでサービス提供することを目指してまいります。

当社のAI活用に関する取り組み
現在、当社はAIを使った超解像技術によって高精度な海底地形図を描き出すシステムの開発を行っております。
この開発は、当社を含むプロジェクトチームの提案が海底探査技術開発プロジェクト(DeSET Project)の公募事業に採択されたことにより、「機械学習による超解像技術を用いた海底地形データ詳細化および深海測深支援システムの開発」 というテーマで、コストを抑え効率的に海底地形図を作成する手法の開発を目的として取り組むものであり、2017年4月から2019年3月まで実施される研究開発事業です。

地形画像における単純拡大と超解像の違い

地形画像における単純拡大と超解像の違い


当社はこうした研究開発の他、主力事業領域であるIoTで収集される膨大なセンサーデータログを活用した特徴量抽出による異常検知ソリューションの開発なども行っており、IoTとAIの効果的な利活用に向けた取り組みを加速しています。

会社概要
エコモット株式会社について
エコモットは2007年の創業以来IoT専業のソリューションベンダーとして、センサー・自社開発信デバイスの提供を行うとともに、多様な顧客ニーズに応じたカスタマイズ、現場での設置ノウハウを提供し、あらゆる「モノ・コト」からセンシングを可能にするソリューションを提供しています。2017年6月に札幌証券取引所アンビシャス市場へ上場いたしました。また、2018年5月に東京証券取引所マザーズに上場承認されました。

所在地:北海道札幌市中央区北1条東2丁目5番2号 札幌泉第1ビル1階
代表者:代表取締役 入澤 拓也
設立 : 2007年2月
資本金:1億円(2018年3月末現在)
事業内容 : IoTインテグレーション事業
企業サイト :https://ecomott.co.jp/

※ NVIDIA® Jetson™は、米国およびその他の国におけるNVIDIA Corporationの商標または登録商標です。


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